振動解析

下向きの矢印を押すと、振動速度の測定値(mm/秒またはインチ/秒)、または、選択した場合は変位(µmまたはmil)が表示されます。3つのバンドに分かれています。

 

ディスプレイでは、各周波数レンジに振動のレベルが示されます。これらの周波数レンジはすべて、3つの棒グラフの下に表示されているように、マシンの指定された動作速度の倍数(1X、2Xおよび3X)に基づいています。

振動分析を行うためには、マシンの動作速度が正しく入力されていることが重要です。この入力はセットアップウィザードで行うことができます。構成を参照してください

VAバンドの周波数レンジは、動作速度の以下の倍数に基づいています。

1X = 不安定

通常、動作速度に基づく周波数帯での振動のレベルは、マシンのバランスを示しています。動作速度に対して振動が大きい場合は、マシンが不安定であることを示しています。非常に安定しているマシンであっても通常は動作速度に対して一定の振動が示されますが、この数値は理想としてはかなり低い数値(通常、中型のマシンの場合は約2 mm/秒未満)である必要があります。

2X = ずれ

動作速度の2倍を中心とした周波数帯での振動が高レベルである場合は、ずれを示している可能性があります。これは、シャフトのずれによって、2つの異なる重心(各シャフトから1つ)があるため波形に二重のピークが発生する可能性があるという事実に基づくものです。つまり、加速度計はそれぞれの重心が通過したときにピークを取得するため、シャフトの回転ごとに2つのプラスのピークと2つのマイナスのピークがあります。この結果、通常は2倍のマシンの動作速度で振動信号が発生します。

3X = 緩み

動作速度の3倍を中心とした周波数帯での振動が大きい場合は、何らかの緩み(取付け部のボルトの緩みや土台の弱さなど)を示している可能性があります。マシンの振動によって「誘発」される何らかの構造上の緩みがある場合以外は、通常はマシンで3回目の振動が見られることはありません。

周波数スペクトル

もう一度下向きの矢印ボタンを押すと、0から1kHzの範囲での周波数スペクトルとして示される振動レベルが表示されます。ピークの高さは、スペクトルの各周波数点でのRMSの振動レベル(mm/秒またはインチ/秒)を示します。画面の右側の測定値は、カーソル(赤色の点線)の位置の周波数(HzまたはCPM)とRMSの振動レベル(mm/秒またはインチ/秒)を示しています。カーソルの位置は、左(<)と右(>)の矢印ボタンを使用して移動できます。

下向きの矢印ボタンを押すと、周波数軸の分解能を100ライン(10Hzまたは600 RPMの分解能)から800ライン(1.25Hzまたは75 RPMの分解能)まで上げることができます。分解能を効果的に上げると、周波数スペクトルが拡大されます。より高い分解能でスペクトル全体を表示するには、左向きと右向きの矢印ボタンを使用してディスプレイをスクロールする必要があります。